自宅で使っていた大きな機械が故障してしまった。
どんな機械なのか説明しにくいが、その内部に
FAXのインクリボンを大きくしたような部品がある。
連絡したのか、定期的に巡回しているのか
好都合なことに印刷会社の営業の二人がやってくる。
二人は分担して分解して丹念に調べ始める。
ロールの内側の赤と緑の色違いの面を覗いたりする。
ちょっと気になったので発言する。
「その前後のロール、ペアではないかもしれませんよ」
交互というか個別に消耗するので
一緒に一組で買ったものではないかもしれないのだ。
営業の上司が「そうだとしたら、困ったことになるな」
部下が返事する。「ええ、まったくですね」
やはりそうであったか、と思う。
だとしても彼らになんとかしてもらうほかない。
実際、やがて自宅のFAXは壊れてしまった。